20年分のWeb環境を棚卸ししてみると、まず気づいたのは「思っていた以上にバラバラだった」ということでした。この記事では、その整理の中で、サーバーとCloudflareの役割をどう分けたかを書きます。

サービスを比べる記事ではありません。あくまで、自分の環境で、自分がどう判断したかの記録です。

20年で、Web環境は複雑になっていた

20年前は、「一つのサーバーにいろいろ置く」という考え方になりやすかったと思います。選択肢も今ほど多くありませんでしたし、そうするのが自然でした。

それから20年、少しずつ増えていきました。

  • ドメインが増えた
  • サーバーを乗り換えた
  • WordPressのサイトがある
  • 静的なサイトもある
  • 軽いWebアプリもある
  • DNSやSSLの管理もある

ひとつひとつは、そのときに必要だから足したものです。ただ、長年の継ぎ足しの結果、管理する場所が分散していました。どのドメインがどこで名前解決され、どのサイトがどこで動いているのか。全体をすぐには説明できない状態でした。

最初は「Cloudflareにまとめればいい」と思った

棚卸しを始めた当初は、「全部Cloudflareにまとめてしまえば、すっきりするのでは」と考えていました。

実際、Cloudflareでできることは多いです。DNS、SSL/TLS、CDN、セキュリティ、静的サイトを置くPages、軽い処理を動かすWorkers。今のWeb環境で必要になるものを、ひとつの画面でまとめて扱えるのは、確かに便利です。

ただ、棚卸しを進めるうちに、「何でもCloudflareにすればいい」というわけではないとも感じるようになりました。便利だからといって、すべてをそこに寄せる必要はない。そう思うようになったのです。

役割ごとに分けて考えてみた

そこで、まとめる前に、それぞれが何のためのものなのかを整理しました。今回の自分の構成は、次のようになっています。

WordPress → Core Server

静的サイト・軽いWebアプリ → Cloudflare Pages / Workers

そのうえで、DNSなどの入り口の管理は、Cloudflareで行っています。

つまり、Cloudflareを使わないものもあります。全部を一つにするのではなく、用途ごとに判断した結果です。

WordPressは、サーバー上で管理する

WordPressは、PHPとデータベースで動き、テーマやプラグイン、ファイルの管理も含めて「サーバー上で運用するもの」です。これは、サーバーに置いて管理するほうが、考え方として素直だと感じました。

静的サイトは、Cloudflare Pages

静的なサイトは、GitHubで管理しているコードをもとに、Cloudflareで配信できます。サーバーを持たずに済むので、管理するものが少なくなります。

軽いWebアプリは、Cloudflare Workers

ちょっとした処理を持つWebアプリも、Workersで動かせます。サーバーを立てるほどではない小さなものは、こちらのほうが自然に収まりました。

実際に、軽いWebアプリをCloudflare上で運用している例として、単価比較サイト1Atari.comを作ったときの話はこちらの記事に書いています。

こうして役割ごとに置き場所が決まると、「これはどこにあるのか」がすぐ分かるようになりました。全体が分かりやすくなった、というのが一番の変化です。

セキュリティも、現在の基準で見直した

棚卸しの過程で、次のようなこともあわせて確認しました。

  • 古い設定が残っていないか
  • 公開する必要のない範囲が公開されていないか
  • アクセス制御は適切か
  • DNSなどの構成に不整合はないか

ここでは、AIに現在の構成を確認させました。AIを使えば安全になる、という話ではありません。AIに現在の構成を確認させ、問題の洗い出しや修正を進めるのに役立った、ということです。最終的な判断は、自分で行っています。

20年分の設定を人力ですべて見直すのは、なかなか根気のいる作業です。そこを手伝ってもらえたのは、実際に助かりました。

WordPressの置き場所として、Core Serverを選んだ

今回の構成では、WordPressを置く場所として、Core Serverのコストパフォーマンスのバランスがよいと判断しました。

これはあくまで、自分の用途での判断です。WordPressのサイトを、無理のない費用で長く置いておけるか。そういう観点で考えたときに、自分にはちょうどよかった、という話です。誰にでもこれが最適だと言いたいわけではありません。

今回の構成では、WordPressのサイトだけをCore Serverに置き、それ以外の静的サイトや小さなアプリは、Cloudflare側に置いています。サーバー上で管理するものが「WordPressだけ」になったので、サーバーの役割もはっきりしました。

「全部を一つに」から「用途に応じて置く」へ

振り返ると、こういう変化でした。

昔は、一つの場所に全部置く。

今は、用途に応じて置き場所を分ける。

選択肢が増えたからこそ、できるようになったことです。ただ、分ければ分けるほど、管理する場所も増えます。だからこそ、どこに何があるのかを把握しておくことが、これまで以上に大事になります。

20年分のWeb環境を整理してみると、重要なのはサービスを一つにまとめることではなく、自分が何をどこで管理しているのか分かる状態にすることだった。

今回、そのことが一番はっきり分かりました。

棚卸し全体の話は、こちらの記事にまとめています。

20年分のWeb環境をAIと棚卸ししてみたら、いろいろなことに気づいた

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えむはら
根っからの便利技好きで、日々のライフハックをブログにまとめています。大手ニュースサイトでのライター活動を経て、2017年からブログ活動中。 業界最大手の人材紹介ウェブサイトの設立、運営実績アリ。キーボードカスタマイズ用のソフトウェア「enthumble」の開発者。 お仕事や取材の問い合わせは、「このサイトについて」の問い合わせフォームから。