20年分のWeb環境をAIと棚卸ししてみたら、いろいろなことに気づいた
ここ数年で、AIにできることが一気に増えました。文章を考えてもらうだけでなく、ファイルを読み、設定を確認し、コードを直すところまで任せられるようになってきています。
それなら、ずっと後回しにしてきたことをやれるかもしれない。そう思って取りかかったのが、20年間継ぎ足してきた自分のWeb環境の棚卸しでした。
結果として、想像していた以上にいろいろなことが見えてきました。この記事では、その全体像をまとめます。細かい話は別の記事に分けるので、ここでは「何をして、何に気づいたか」を中心に書きます。
きっかけは「AIでできることが増えた」こと
ドメイン、サーバー、DNS、メール、WordPress、静的サイト。20年もやっていると、その時々の事情で少しずつ足してきたものが積み重なります。ひとつひとつは「そのときの最適解」だったはずです。
ただ、全体を一度に見渡したことは、一度もありませんでした。手作業でやるには量が多すぎて、優先順位を下げ続けてきたのです。
AIに実際の作業を任せられるようになったことで、「やるなら今かもしれない」と思えるようになりました。
役割分担:自分 → ChatGPT → Claude Code
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棚卸しは、次のような分担で進めました。会社にたとえるとわかりやすいので、そう呼んでいます。
- 自分:役員・最終責任者。方針を決め、最後に承認する。
- ChatGPT:管理職・参謀。考える、整理する、選択肢を出す。
- Claude Code:実働担当。実際にファイル、コード、設定を確認し、必要なら変更する。
考える役と手を動かす役を分けたことで、「何をやるか」と「実際にやること」が混ざらなくなりました。最終的な判断は自分が持つ、という線引きも、この形だと自然に守れます。
なお、Claude CodeはPro版だけで使っています。特別なプランを用意しなくても、個人のWeb環境の棚卸しくらいなら進められました。
見えてきたもの:分散していた20年分の環境
実際に洗い出してみると、ドメイン、サーバー、DNS、メールなどが、あちこちに分散していました。どこで登録し、どこで名前解決をし、どこで配信し、どこでメールを受けているのか。頭の中では「なんとなく」わかっているつもりでも、書き出してみると、つながりが曖昧な部分がたくさんありました。
ここで強く感じたのは、「動いている」と「管理できている」は違うということです。サイトは表示されるし、日々の運用にも困っていない。それでも、何がどこにあり、なぜそうなっているのかを説明できない状態は、「管理できている」とは言えませんでした。
構成を整理し、セキュリティも見直した
棚卸しのあとは、構成の整理に進みました。どのサイトをどこで動かすのか、何をどこで管理するのかを、改めて決め直しました。この部分の詳しい話は、別の記事にまとめます。
あわせて、セキュリティも現在の基準で見直しました。20年前の常識と今の常識は違います。昔は問題にならなかったことが、今は見直したほうがいい、ということが実際にありました。具体的な内容は、ここでは触れません。
その過程で見つかった、ちょっと怖い話
棚卸しの途中で、5年間、重要なメールを受け取れていなかったという問題も見つかりました。動いているつもりのものが、実は動いていなかった。それに5年間も気づかなかった。これは今回いちばん背筋が寒くなった発見です。
詳しい経緯は長くなるので、別の記事に書きます。
いちばん大きかったのは「自分が何を持っているのか分かった」こと
技術的な成果はいろいろありましたが、振り返って一番大きかったのは、とてもシンプルなことでした。
自分が何を持っているのか、分かった。
何を持っているかが分かると、何を守るべきか、何をやめてよいか、何を優先すべきかが判断できます。持っているものを把握していない状態では、判断そのものができません。棚卸しの価値は、整理された結果よりも、この「見える状態」にあったと感じています。
Webに限らず、積み上げたものは定期的に棚卸しする
これはWebの話に限りません。長年積み上げてきたものは、放っておくほど中身が見えなくなります。写真、データ、契約、アカウント、道具。どれも同じです。
年に一度でも、「今、何を持っているのか」を書き出してみる。それだけで、気づけることがたくさんあります。AIという手伝ってくれる相手が増えた今は、そのハードルもずいぶん下がりました。
20年前の自分が作ったものを、20年後の自分が引き継ぐ
今回の作業をしながら、何度も思ったことがあります。20年前の自分が作ったものを、今の自分が引き継いでいるのだ、ということです。
そして、今の自分が作っているものは、20年後の自分が引き継ぎます。そのときに困らないように、何があるのかを見える形にしておく。今回の棚卸しは、未来の自分への引き継ぎ資料づくりでもあったのだと思います。
関連記事(今後公開予定)
今回触れた内容のうち、詳しい話は次の記事に分けて書く予定です。
- 「5年間、ドメインの重要メールを受け取れていなかった話」(メールが届かなかった経緯と、見つかったきっかけ)
- 「20年分のWeb環境を整理して、サーバーとCloudflareをどう分けたか」(構成整理の考え方)


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