コンタクト洗浄液の消毒性能と負担を比較した

コンタクトレンズのイメージ

コンタクト液をデータで比較

マルチパーパスソリューションは、一液で洗浄・すすぎ・消毒・保存ができるソフトコンタクトレンズ用のケア製品です。正式は、Multi Purpose Solutionの略語、MPSと言います。通称、コンタクト液です。

さまざまなコンタクト液が発売されていますが、店頭やWebサイトで比較しても違いがよくわかりません

よくわからないので、パッケージの雰囲気やコスパから買っていませんか?眼に関わる製品ですので、きちんと性能に基づいて購入判断をするべきではないでしょうか。

コンタクト液の性能は、意外と異なる

コンタクト液は医薬部外品なので、消毒性能などのデータを取得し承認申請を経て販売されています。

有効成分は消毒剤ですが、その種類は限られています。配合できる消毒剤としては、塩化ポリドロニウム、塩酸ポリヘキサニド(通称PHMB)しかありません。濃度も決まっています。なお、アルコン社しか塩化ポリドロニウムを採用していませんので、ほぼすべてのコンタクト液の有効成分はPHMBです。種類も濃度も一定なので、どの製品も同じような性能になるかと思ってしまいますね。

しかし、有効成分以外の保湿剤や添加剤などがかなり影響するため、製品によって消毒性能や眼へのやさしさが異なるんです!具体的には、保湿剤が菌や消毒剤と結合してしまい、消毒性能を下げてしまうこともあるんですね。眼にやさしいものは、菌にもやさしい、なんてことにも…。

コンタクト液の性能を比較した客観的なデータとして、「1.国民生活センターの消毒性能比較データ」と「2.糸井眼科医院ステイニングテスト」があります。これらの結果をみて比較してみましょう。


1. 国民生活センターの消毒性能比較

参照: ソフトコンタクトレンズ用消毒剤のアカントアメーバに対する消毒性能-使用実態調査も踏まえて, 独立行政法人国民生活センター, 2009年12月16日

市販8製品のアカウントアメーバに対する消毒性能を比較テストをしています。やや古いデータですが、現在も市販されている製品が多く含まれています。

消毒性能の比較製品

  1. コンプリート ダブルモイスト
  2. バイオクレインゼロ
  3. シードゥソフトケア
  4. フレッシュルックケア 10ミニッツ
  5. オプティ・フリープラス
  6. レニューマルチプラス
  7. エピカコールド
  8. ロートCキューブソフトワンモイスト

消毒性能の比較結果

手法: コンタクトレンズ・アカウントアメーバ(微生物)・コンタクト液を混ぜ、数時間静置後のアカウントアメーバ数を比較したデータを見てみます。

結果: データは棒グラフで、縦に製品番号が並びます。棒が左に大きいほど、アカウントアメーバが死滅しており、消毒性能が優れていることを示します。

国民生活センター資料
図6より MPS消毒性能の比較結果を抜粋

⑨が過酸化水素タイプで、強い消毒効果があることを示す参考データです。この「⑨過酸化水素」と同程度の強い消毒効果があったのは、市販8製品のうち「⑦エピカコールド」、「⑥レニューマルチプラス(現行品名はレニューフレッシュ)」の2製品のみでした。

下にAmazonの商品ページのリンクを置きます。



エピカコールド、レニューマルチプラスの消毒性能が優れるとわかりました。ただ、消毒力が強いと眼に悪影響があるのでは?と思ってしまいますよね。

そこで、さらに別の比較試験を参考にしましょう。

2. 糸井眼科医院の角膜ステイニング比較

参照: ソフトコンタクトレンズとレンズケア用品の適合性 糸井眼科医院 Webサイト

こちらは、コンタクト液が眼にやさしいかどうかをテストされたものです。

コンタクト液には有効成分として塩化ポリドロニウムや塩酸ポリヘキサニド(通称PHMB)などの消毒成分が含まれています。これら消毒剤の副作用と考えられているのが、角膜上皮障害(角膜ステイニング)です。

角膜ステイニングとは、の角膜の傷つき具合の指標です。この角膜ステイニングの発生率を、コンタクト液ごとに比較されています。

角膜ステイニング比較結果

手法: 新品コンタクトレンズ・コンタクト液を混ぜ、実際にヒトの眼にレンズを装着します。2時間後に角膜ステイニングのスコアを評価されています。

結果: アキュビューオアシスのコンタクトレンズを用いて比較したデータを見てみましょう。データは棒グラフで、横に製品名が並びます。棒が小さいほど角膜ステイニングのスコアが小さく、眼にやさしいことを示します。

道玄坂糸井医院 資料
新品レンズを用いた試験 アキュビューオアシスの比較結果を抜粋

左端の「生理食塩水」と同程度にスコアが低い「AOセプト」と「コンセプトワンステップ」は、MPSではなく過酸化水素で消毒するタイプです。過酸化水素は強力な消毒成分ですが、消毒後に中和しているので装着時には消毒剤が残りません。いずれもスコア1.0以下と、目にやさしいことを示していますね。

さて、先ほど紹介したデータで消毒性能が高かった、「エピカコールド」、「レニューマルチプラス」をみてみましょう。

結果を見比べると、「レニューマルチプラス」はスコア3.4、「エピカコールド」は1.7でした。スコアの値が小さいほど良い結果なので、「エピカコールド」の方が眼への負担が少ない、といえます。

今回は紹介しませんが、アキュビューオアシス以外のコンタクトレンズでも、同様に「エピカコールド」の方がスコアが優れている傾向がありました。


【体験談】消毒性能と低負担を両立したMPSを選ぶ

私はコンタクトレンズを使用していて、目がかなり痛くなったことがあります。眼科では角膜感染症と診断されました。

当時私が使用していたソフトコンタクトレンズのコンタクト液は、「ロートCキューブソフトワンモイスト」でした。最初に紹介したグラフでは⑧、2番目のグラフでいえばスコア3.7のものです。どうやら消毒性能は低く、眼の負担が大きいものだったようです。

上記2つの比較テストを参考に、消毒効果が強くかつ眼に優しい「エピカコールド(保湿性アップ版のアクアモア)」を購入しました。 データに基づいて選択したので、今後も迷いなく本製品を使っていこうと思います。

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